浮世絵 買いました 葛飾北斎 神奈川沖浪裏 The Great Wave

葛飾北斎「神奈川沖浪裏」


最近Outlook等のプロファイル画像にパブリックドメイン素材集からみつけた江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」という作品を使っているのですが、結構気に入っているのでボーナスが出ることもあり購入してみました。「富嶽三十六景」という富士山をテーマにしたシリーズ中の1枚で、タイトル通り36枚出版される予定だったのが人気になったため10枚多い46枚になったそうです。
どうやって手に入れたのか不思議に思う方もいるかもしれませんが、浮世絵は版画なので今でも注文すると新たに摺ってもらうことができます。厳密にいうと江戸時代とは版木が異なっているのでしょうが、骨董品ではない分高価でもなくお小遣いの範囲で買えます。一方、品質は上質な手漉き和紙にプロの摺師さんが丁寧に摺ってくれるので十分に高く、素人目には美術館で見るものと遜色ないようにみえます。何といってもガラス越しではなく手に取って直に見られるところがとても良いです。
大波が小さな舟に襲い掛かる一瞬を切り取ったダイナミックな構図や、人の手のような波先の表現、遠景で佇んでいる冠雪した富士山など見どころがギュッと詰まった一枚です。70歳を超えてから描いたといわれているのですが、年をとっても第一線で活躍し続けてられているなんて憧れますね。見習いたいところです。
写真では見えにくいかもしれませんが、船には左右4名ずつの漕ぎ手がいます。座っている2名は休憩中で、ローテーションしながら獲った魚を日本橋まで運んでいるのだそうです。一年中冷暖房の効いた屋内でOAチェアに座っている身からすると、想像がつかないぐらいハードな仕事ですね。大変そうですが家族のために冬の荒波に漕ぎ出す男たちってカッコいいし、何が起ころうとも粛々と自分の役割を全うしようとしている姿にも尊敬の念を覚えます。
さて現代の私たちにもパンデミックが起きたり、紛争がはじまったり、半導体が足りなくなったり、物価高になったりと次から次へと大波が襲い掛かってきています。そんな中でもこの絵の漕ぎ手たちのように、慌てることなく自分たちの力を信じて助け合いながらゴールを目指して進んでいきたいですね。